椎間板ヘルニアの手術
この世の終わりとも思えてしまう激痛の椎間板ヘルニアとはいっても、やはり手術は避けたいものです。手術が最終の手段であるということは昔も今も変わらない認識です。
しかし、現代の発達した医療の恩恵に浴さない手もありません。椎間板ヘルニアの手術を受けるべきか否か、手術に踏み切る時期は、方法は…。医師と十分なインフォームド・コンセントが行われるべきです。
皮膚や骨は再生能力がありますが、脊髄の細胞には再生は望めません。椎間板ヘルニアのように椎間板が圧迫された状態が長く続くと、神経細胞がだめになり、手術をして圧迫を取り除いてもだめになった脊髄細胞は元に戻らなくなります。こうならないために手術を受ける必要が生じてくるのです。
椎間板ヘルニアにおいての手術を決めるタイミングは、痛みの程度でいうと「これ以上我慢できない」時で、「手術をしてでも楽になりたい」と思った時で十分です。体のいろんな部分に現れる症状でも自分で確かめられる目安があります。足の症状では、歩きにくい、転びやすい、階段でつまずきやすい、膝がガクガクする、片足とびがスムーズでないなどが気になる場合です。また、頻尿、尿が出にくい、残尿感があるなど、お小水の症状も注意が必要です。
頸椎椎間板ヘルニアの場合、指先の症状が治療や手術を受ける基準となります。指先のしびれ感がひどい、ボタンのはめはずしや箸やペン使いがうまくいかないなどが気になる場合、また、グーパーの繰り返しが10秒間に20回を下回るなど、確かめてみてください。
椎間板ヘルニアの疑いがあり、このような状態に至る経緯が急であればあるほど、また若ければ若いほど手術に踏み切るのは早いほうが良いと言われています。