椎間板ヘルニアの治癒
椎間板ヘルニアの詳しいメカニズムは未だに不明なところが多いとされています。ですから椎間板ヘルニアの治癒についても一言で述べることは難しいものとなります。
しかし、症例を見ると、椎間板ヘルニアはその多くが良性で、3ヶ月で60%の人に痛みが自然に改善したと見られるとの報告がされています。
椎間板ヘルニアはなぜ自然と治癒するのでしょう?その理由として考えられているのが、人の体が持つ自然治癒能力といわれるものです。例えば、背骨の構造がそれなりに変形・安定したため、痛みに対しての防御反応から痛み方が鈍くなる、ヘルニアの部分の炎症が起きにくくなるなどと考えられています。また、最近では、ヘルニアは貧食細胞に貧食され、いずれなくなるのではないか、という説も出されています。
このように、多くは時間とともに改善される椎間板ヘルニアですが、緊急に手術が必要となるケースもあります。膀胱・直腸障害(排尿時や排便時が困難など)、持続的な強い痛み、重度の下肢の麻痺などの症状がある場合です。
椎間板ヘルニアでつぶれてしまった椎間板そのものが完全に治癒・回復するのは難しいとしても、多くが自然に治癒し、また手術により改善されます。