椎間板ヘルニア
大辞林(三省堂)によると、「ヘルニア [hernia] 臓器の一部が本来あるべき腔から逸脱した状態」とあります。これを「椎間板ヘルニア」に当てはめると、何らかの事情で椎間板が飛び出した(膨れた)状態、ということになります。
人の身体の中心には背骨が通っています。誰でも一度は「人体骨格標本」を見たことがあると思います。そう、理科準備室にありましたね。ですから大体のイメージはできると思います。背骨は24個の骨が積み木のように重なって頭からお尻までつながっています。上から頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙骨1個、尾椎3〜6個でできています。
しかし、硬い骨が単に積み重なっているのではなくて、骨と骨の間に「椎間板」という軟骨があって、いわゆるクッションの役割を果たしています。そして、この積み重なった背骨の中を神経が通っています。加齢や激しい運動などが原因で、時にこの椎間板が外に飛び出し(ヘルニアの状態)、神経を圧迫することがあります。その時激しい痛みやしびれを引き起こします。これが「椎間板ヘルニア」です。
背骨の作りを考えれば、椎間板ヘルニアは、首から腰まで、どの場所にも発生する可能性がある、ということになります。